【本】愚者の黄金
Fool’s Gold by Gillian Tett
FT記者によるサブプライム日記。平尾さんの監訳です。”Saving the Sun“同様、迫力満点の力作です。金融のバックグラウンドがない方は、読むのがちょっと大変かもしれません。
FT日本支局長だったこともある著者にとってみては、まさにデジャヴだったと思うのですが、みごとなまでに日本の教訓が生かされておりません。利益を追求した金融機関だけでなく、当局側の規制緩和もきっちり批判の対象として描いています。
サブプライム問題については、新聞報道でさまざまな情報を得ていますが、本書では当事者の視点に立って事件を振り返ることができ非常に有益です。組織論として読めば、やはり、大企業は職務が細分化され、全体像を把握している人がほとんどいないという問題につきあたります。個別最適が全体最適にならないどころか、外部を最悪な状況においやってしまった。
リーダーシップの本としても、読めます。J.P.Morganのトップの行動が詳細に描かれています。大きな組織になるほど、逆に、個人のリーダーシップに依存する部分が大きくなるように思います。
アメリカが新たな金融機関向けの規制を発表しましたが、参考資料としてまず読むべき本だと思いました。
では。
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